恋人よ」(こいびとよ)は、1980年8月21日CBSソニーから発売された五輪真弓の通算18枚目のシングル

背景

表題曲は、五輪が木田高介(五輪がデビューした当時のプロデューサーで、1980年5月18日に交通事故死した)の葬儀に参列した際に、木田の奥方が慟哭する姿を見て書き上げた[3]。二度と再会が叶うことのない”別れ”を綴った歌詞は、葬儀からの帰り道で思いついたのだという[4]

当初は「枯葉」というタイトルだったが、途中で変更された[5]

当初、B面に収録されている「ジョーカー」がA面の予定だったが、レコーディングの際に「恋人よ」の方が受けが良かったため、変更となった。

1980年代の韓国においてもよく歌われた日本の歌である[6]

制作

CBSソニーのディレクター中曽根皓二から「B面のアレンジはお任せする」と言われたアレンジャーの船山基紀が、スケールの大きいバラードだったので、48秒もあるイントロをつけていたが、A面に変わってからこの長いイントロをどうするか思案して、テレビ用に多少短くしたり、イントロのバイオリンのメロディをサックスに変えたりしている[3]

レコーディングの時の仮歌の出来が良かったので、そのバージョンのものがそのままリリースされた[7]

記録

本作は、五輪のシングルでは唯一オリコンチャート週間1位を獲得し、100位内には35週間ランクインした。累計売上はミリオンセラーを記録した[8]

TBSテレビザ・ベストテン』には、1978年6月に「さよならだけは言わないで」で「今週のスポットライト」コーナーとして出演以来、2年ぶりとなった。1980年11月6日に第10位で登場。同年12月18日でついに首位獲得、12月25日、翌1981年1月8日と3週連続で第1位。同年2月5日の第9位まで合計13週間ランクされるロングセラーとなった[注釈 1]

第22回日本レコード大賞で金賞ではあったものの、大賞は受賞していない。しかも次点ですらなく、当時の業界内でのこの曲に対する評価の低さがうかがえる[注釈 2]

この曲のヒットにより、1980年の『第31回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしている[9]

収録曲

7インチシングル盤
全作詞・作曲: 五輪真弓、全編曲: 船山基紀
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.恋人よ五輪真弓五輪真弓
2.ジョーカー五輪真弓五輪真弓
合計時間:

カヴァー

日本国内

日本国外

  • ベトナムの女性歌手ミー・タム(Mỹ Tâm)が、2005年にリリースしたアルバム『The Color of My Life』に収録し、ステージでも披露するなど、日本の歌としては同国で最も有名な曲の一つである。北海道テレビ水曜どうでしょう』の「原付ベトナム横断1800キロ」の企画において、現地ガイドや宮廷音楽家たちが知っている日本の歌として「恋人よ(Người yêu dấu ơi)」を挙げている。
  • 香港の歌手アラン・タム(譚詠麟)によって「忘不了你」というタイトルでカバーされている。
  • 韓国の歌手、鄰愛(린애)によって「離別後愛(이별후애 )」というタイトルでカバーされている。
  • 2007年4月には、ロシアの女性デュオARAHISによってカヴァーされた(アルバム『メチター』に収録)。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ ザ・ベストテン』で10位内のランクインは、本作が唯一だった。
  2. ^ 大賞は八代亜紀雨の慕情」、次点は五木ひろしふたりの夜明け」。

出典

  1. ^ 第22回 日本レコード大賞”. 日本作曲家協会. 2021年7月22日閲覧。
  2. ^ 「オリコンチャートブック 1968-1997」ORICON BOOKS、1997年12月11日、35ページ。
  3. ^ a b 「ヒット曲の料理人 編曲家・船山基紀の時代」2019年10月10日、リットーミュージック、82-83ページ。
  4. ^ 恋人よ〜究極の“別れの歌”の誕生秘話、伝説のグループに在籍した才人の死|季節(いま)の歌|TAP the POP2022年4月26日閲覧。
  5. ^ 「ヒット曲の料理人 編曲家・船山基紀の時代」2019年10月10日、リットーミュージック、87ページ。
  6. ^ 関川夏央『韓国を読む―こんなに知らないとなりの国』集英社、1986年、114頁。ISBN 4-08-775078-7
  7. ^ イルカさんと五輪真弓さんは中野区の小学校に通った同学年”. 日刊ゲンダイDIGITAL. 日刊ゲンダイ (2021年4月2日). 2021年4月2日閲覧。
  8. ^ 富澤一誠『フォーク名曲事典300曲〜「バラが咲いた」から「悪女」まで誕生秘話〜』ヤマハミュージックメディア、2007年、583頁。ISBN 978-4-636-82548-0
  9. ^ 第31回NHK紅白歌合戦”. NHK紅白歌合戦ヒストリー. NHK. 2022年1月27日閲覧。
  10. ^ 宝塚OGによるカバーアルバム第2弾発売決定 昭和の歌謡名曲が男役歴代トップスター達によって蘇る”. Billboard Japan. 2015年4月23日閲覧。
  11. ^ 米倉利紀が初のカバー集で沢田研二、松田聖子、オリラブ、米米らを熱唱”. 音楽ナタリー (20105-08-26). 2015年8月27日閲覧。
  12. ^ JUJU|Snack JuJu Special Site”. JUJU OFFICIAL SITE. 2016年11月15日閲覧。

関連項目